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スズメバチは益虫か害虫か問題を解決!絶滅したらどうなるか徹底解説

スズメバチは益虫か害虫か問題を解決!絶滅したらどうなるか徹底解説

「スズメバチは益虫か害虫か」というテーマは、多くの人が一度は気になったことがある疑問ではないでしょうか?

強い毒や攻撃性から典型的な「害虫」と見なされる一方で、実は生態系や農業にとって欠かせない「益虫」の側面も持っています。さらに「もしスズメバチが絶滅したらどうなるのか?」という視点で考えると、恐怖だけでは語れない複雑な現実が浮かび上がってくるのです。

本記事ではスズメバチが害虫と呼ばれる理由・逆に益虫としての役割、そして絶滅した場合のメリット・デメリットまで徹底的に解説します。

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最後まで読み進めていただければ、これまで「怖いだけの存在」と思っていたスズメバチの意外な一面を知ることができるはずです。

この記事のポイント

  • スズメバチが「害虫」とされる5つの理由を具体例とともに解説
  • 害虫退治や花粉媒介など「益虫」としての意外な役割を紹介
  • スズメバチが絶滅したらどうなるかメリットとデメリットを整理
  • 絶滅危惧種との関係や世界での保護・駆除の実情まで掘り下げる

スズメバチが害虫と呼ばれる5つのワケ|益虫じゃないから絶滅したら利点だらけ?

スズメバチが害虫と呼ばれる5つのワケ|益虫じゃないから絶滅したら利点だらけ?
  • 1.強い攻撃性と殺傷能力
  • 2.恐怖をあおる見た目と音
  • 3.ヒトとの遭遇リスクが高い
  • 4.ミツバチを捕食する
  • 5.メディアによる刷り込み
  • 世界的な増加の原因
  • スズメバチを根絶した事例

1.強い攻撃性と殺傷能力

スズメバチの強い攻撃性と殺傷被害

スズメバチは非常に攻撃的で強い毒を持つハチです。その防衛本能の強さから、人間に対して積極的に攻撃してくることがあります。

事実、日本国内ではスズメバチに刺されたことが原因で毎年20人前後もの方が命を落としており、クマやマムシよりも多くの死亡事故が報告されています

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私も害虫マニア女子として業者の駆除現場に立ち会ったことがありますが、巣を刺激した瞬間に何十匹ものオオスズメバチが一斉に飛び出してきた光景を目の当たりにしました。猛毒の針と集団で襲いかかる獰猛さには、経験豊富なプロでも細心の注意が必要だと痛感した次第です。

このように強烈な攻撃性と毒性ゆえに、人間社会では典型的な「害虫」とみなされているのです。

2.恐怖をあおる見た目と音

スズメバチの見た目や音の恐怖感

スズメバチの外見や飛翔音も、人々に恐怖心を与える大きな要因です。体長が4cmを超えるオオスズメバチをはじめ、スズメバチ類は黒と黄色の警戒色の縞模様を持ち、太く頑強な体つきをしています。

その威圧的な見た目から「殺人バチ」と俗称されることもあり、一目見ただけで身がすくむ人も少なくありません。さらに羽音も低く重いブーンという不気味な羽ばたき音で、人の本能的な恐怖を誘います。(※1)

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私の周りでも、庭で羽音が聞こえただけで悲鳴を上げて室内に逃げ込んでしまう友人がいました。

スズメバチ自身に悪気はなくとも、このように恐ろしげな姿形や音による心理的ストレスから、人々には「害虫」と感じられてしまうのです。

※1.カチカチ音はスズメバチからの警告?

スズメバチが出すカチカチ音は敵への警告
出典:国立研究開発法人 森林研究・整備機構

ブーンという羽の音よりも、さらに注意すべきなのがアゴを鳴らすカチカチ音。なぜならこれは、スズメバチから外敵に発せられる警告音だからです。

スズメバチは外敵が巣に近づくと、「これ以上近づくな!」という意味の行動をとります。

・相手の周りをしつこく飛ぶ。
・相手に狙いをつけて、空中で停止する。
・あごをかみ合わせて「カチカチ」という音を立てる。

こういうときには、できるだけじっとして、ハチが飛びさるのを待ちましょう。こわいのでつい手でふりはらったりしがちですが、すばやい動きをするとハチは攻撃してくるおそれがあります。

国立研究開発法人 森林研究・整備機構「森林レクリエーションでのスズメバチ殺傷事故を防ぐために」

スズメバチが出すカチカチ音は、あなたを敵だと認識している証拠でもあります。ハチが去るのを待ってから、静かに巣と反対方向に移動することを心掛けましょう。

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大勢のスズメバチが一斉に飛翔していると、大きな羽音にかき消されて聞き逃す恐れも・・・。いずれにせよ冷静に巣の位置を把握して、それ以上は近付かないことが大切です。

>>ホバリングや毒液も威嚇のサイン?スズメバチの飛行速度や追いかけてくる距離も知っておこう

3.ヒトとの遭遇リスクが高い

スズメバチは生活圏内に巣を作るため人との遭遇リスクが高い

スズメバチは人里の軒下や庭木・ベランダの隅など、人間の生活圏内にも平気で巨大な巣を作ります。そのため日常生活で遭遇するリスクが高く、被害につながりやすいのです。

たとえば民家の屋根裏にいつの間にか球状の巣を築かれていた・・・というケースは珍しくありません。私も自宅の庭木でコガタスズメバチの初期の巣を発見したことがありますが、そのときは興奮して観察しつつも近づきすぎないよう細心の注意を払いました。

スズメバチは巣を守るためなら身を挺して攻撃してきますので、住宅地で巣があると住民にとって重大な脅威です。身近に巣を作られることで刺傷事故の危険が一気に高まるため、どうしても「害虫扱い」されてしまうのはやむを得ないでしょう。

4.ミツバチを捕食する

スズメバチはミツバチを捕食し養蜂家に被害を与える

スズメバチは肉食性が強く、昆虫ならときに同じハチの仲間さえ捕食します。特に有名なのがミツバチへの襲撃。オオスズメバチなどはミツバチの巣を集団で襲い、一度に何百匹ものミツバチを噛み殺して幼虫や蜂蜜を奪います

養蜂場では巣箱が全滅する被害も起きるほどで、養蜂家にとってスズメバチは天敵ともいえる存在。当然、蜂蜜生産やポリネーション(ミツバチが花粉を運ぶこと)に大きな損害を与えることから、農家や養蜂家はスズメバチを忌み嫌い駆除します。

また欧米でもアジア産のスズメバチが外来種として侵入し、在来のミツバチを襲う問題が発生。そのため各国で「殺人バチが来た!」と大々的に報道され、防除作戦が行われたほどです。

このように他の有益な昆虫に害を及ぼす点でも、スズメバチは典型的な「害虫」と位置付けられてしまいます。

ミツバチも反撃する?

オオスズメバチに反撃するミツバチの大群
出典:玉川学園

巣を襲撃されたミツバチたちも、ただただ黙って殺されるわけではありません。

1匹のオオスズメバチが巣に入ってくると待ち伏せていた500匹にものぼるニホンミツバチの働き蜂がいっせいに飛びかかり、巨大な球を作ってオオスズメバチを中に閉じ込め、胸の筋肉を震わせ発熱します。この巨大な球を「蜂球(ほうきゅう)」といい、蜂球内の温度を計測してみると、最高で48℃に達します。オオスズメバチは44~46℃で死んでしまいます。ミツバチは50℃近くまで大丈夫なので、僅かな差を利用してオオスズメバチを蒸し殺してしまうのです。

玉川学園「ミツバチのダンスと布団蒸し殺法」

凶暴なオオスズメバチとはいえ、さすがに500匹相手では分が悪すぎますね。ちなみに熱めのお風呂でも42℃くらいですから、48℃がいかに高温なのかお分かりでしょう。

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アゴや毒針では太刀打ちできないため、数と知恵で対抗しているのです。

5.メディアによる刷り込み

「スズメバチは恐ろしい」というメディア報道による刷り込み

毎年夏から秋にかけて、テレビや新聞では「スズメバチに刺され死亡」「公園でスズメバチ大量発生」などスズメバチの恐怖を煽る報道が頻繁になされます。こうしたメディアの取り上げ方によって、「スズメバチ=恐ろしい害虫」というイメージが社会に刷り込まれている側面も無視できません。

例えば、テレビ番組では巨大な巣の駆除シーンがドラマチックに放映され、「2回刺されたら確実に死ぬ」といった俗説まで一部ではささやかれました。実際には医学的根拠のない迷信ですが、それほどまでに恐怖の象徴になっている証拠といえますね。

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私も子供の頃にニュースで見たスズメバチ駆除の映像に衝撃を受け、「スズメバチは出会ったら終わりなんだ・・・」と思い込んでいた時期があります。

メディアによる刺激的な報道が重なることで、人々の中に必要以上の恐怖心と嫌悪感が植え付けられます。結果として「害虫」の烙印が一層強まっているのは間違いないでしょう。

世界的な増加の原因

スズメバチ増加の原因は地球温暖化?

近年、「スズメバチの被害が昔より増えた」と感じる方もいるかもしれません。その要因の一つとして指摘されているのが、地球温暖化の影響です。

冬の平均気温が上昇した結果、冬越しする女王バチが凍死せずに生き残る確率がアップ。さらに寒い期間が短縮されたことで、繁殖期間が長くなりました。このため巣の規模が大きくなり、結果として個体数が増えている可能性があるのです。

また人間の生活範囲拡大も、けっして見逃せない一因。里山の宅地開発や農村部の環境変化により、スズメバチと人間の生活圏が重なる場面が増えました。かつて山間部に限られていた巣作りが、都市公園や民家の敷地でも見られるようになり、都市部でも遭遇率が上がっています。

さらに天敵の減少と餌となる昆虫(イモムシなど)の増加が重なり、スズメバチが繁栄しやすい環境になったとの見方もあり。つまり気候変動と人間社会の環境変化の両面から、スズメバチが増加傾向にあると考えられています。

スズメバチを根絶した事例

アメリカ合衆国ワシントン州でスズメバチを根絶した事例

スズメバチは生態系の中でも、頂点に君臨する捕食者の一つ。広範囲に分布するため、意図的に完全根絶するのは非常に困難です。日本国内ではもちろん、スズメバチ属全体を絶滅させた事例はありません

ただし局所的・限定的なケースとして、外来種となったスズメバチを人為的に根絶した例はあり。その代表がアメリカ・ワシントン州での事例です。

2019年に北米で発見されたアジア系のオオスズメバチ(現地呼称:マーダーホーネット)に対し、州政府が総力を挙げて防除を行った結果、2024年に「当該スズメバチが州内から根絶された」と公式に宣言されました。

このように侵入した外来スズメバチの巣を徹底的に駆除し、生息を許さない取り組みが成功した例はあります。しかし在来種として定着しているスズメバチを、生態系から一掃するのは非現実的です。

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仮に日本でスズメバチ全種の根絶を試みたとしても・・・山林や都市部いたる所に巣があり、生態系ネットワークにも組み込まれているため、実際には不可能と言えるでしょう。むしろ根絶ではなく、被害を減らすための共存とコントロールが現実的な選択肢となります。

害虫じゃなく益虫である理由5選|スズメバチが絶滅したらヤバいのか

害虫じゃなく益虫である理由5選|スズメバチが絶滅したらヤバいのか
  • 1.生態系のバランスを維持
  • 2.害虫の捕食で農業をサポート
  • 3.花粉を運ぶ
  • 4.滋養強壮の栄養食品
  • 5.研究対象として人類に貢献
  • 絶滅したらどうなる
  • スズメバチは絶滅危惧種?

1.生態系のバランスを維持

害虫を捕食し自らも餌になって生態系のバランス維持するスズメバチ

スズメバチは生態系の中で、重要な捕食者として機能しています。森や里山において上位捕食者であるスズメバチは、日々膨大な量のイモムシ・ケムシ・ハエ・クモなどを狩り、それらを巣に持ち帰って幼虫の餌にしています。

これにより、農作物や樹木を食い荒らす害虫(例えばアワノメイガやコガネムシの幼虫など)の個体数を抑制し、間接的に人間の生活を助けてくれているのです。

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私の家庭菜園でもトマトについた大きな青虫を、スズメバチが素早く捕らえて持ち去ったことがありました。その時に「害虫退治の頼もしい助っ人だな」と感心した記憶があります。

一方でスズメバチ自身も、自然界で他の動物の餌となる場面あり。例えばツキノワグマは秋にスズメバチの巣を掘り返して中の幼虫を食べることがありますし、ハチクマという猛禽類は名の通りスズメバチの幼虫を好んで捕食します。

スズメバチが絶滅してしまうと、こうした捕食—被食のつながりが断たれ、生態系全体のバランスが崩れる恐れがあります。つまり、スズメバチは害虫を減らし自らも食物連鎖の一部となることで、自然界のバランス維持に貢献する益虫的な存在でもあるのです。

2.害虫の捕食で農業をサポート

農作物を荒らす害虫を捕食することで農業に貢献するスズメバチ

前述の通りスズメバチは、イモムシなど作物に被害を与える害虫を日常的に捕食しています。そのため結果的に農作物の被害を抑制し、農業に貢献している側面があります

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雑木林や田畑の周辺でスズメバチが活動することで、無数の害虫が駆逐され、稲作や野菜栽培の収量を守ってくれているのです。これは農薬に頼らない生物的防除の一翼を担っているとも言えますね。

例えば果樹園ではスズメバチが毛虫やカメムシを捕ってくれるおかげで、果実への被害が減るケースもあります。私も農家の知人から「スズメバチのおかげで畑の害虫が減って助かっている」と聞いたことがあり、害虫マニアとして思わずニヤリとしてしまいました。

ただしスズメバチが益虫として働く一方で、一部では加害者になる場合もあり。その典型がブルーベリー農園です。熟したブルーベリーの果汁をスズメバチが好んでかじってしまい、実に穴を開けて食害する被害が報告されています。さらに収穫期にスズメバチが大発生すると、農作業中の人間が刺される危険も高まります。

このようにごく限られた状況下では、スズメバチ自身が農家の「害虫」となり得る点には触れておく必要があります。しかし総じて言えば農業害虫の天敵として働く利益のほうが大きく、スズメバチは間接的に人間の食料生産を支えてくれる益虫的存在だと評価できるでしょう。

3.花粉を運ぶ

花粉を運び植物の多様性を支えるスズメバチ

「ハチ=花の蜜を集めるミツバチ」の印象が強いですが、実はスズメバチも花粉媒介者として自然界に貢献しています。肉食性のスズメバチも成虫はエネルギー補給のため花の蜜をなめることがあり、その際に体に花粉を付けて運ぶのです。

一般にハチ類は毛虫などを捕食したり植物の花粉を運搬したりすることで、自然界のバランス維持に有益な働きをしています。スズメバチも例外ではなく、特に秋に咲く野草では主要な送粉者になっている例も報告されています。

東京大学の研究では関東地方のある植物において、キイロスズメバチなどが他の昆虫より圧倒的に頻繁に花を訪れ大量の花粉を運んでいることが明らかになりました。スズメバチを排除すると種子の生産量が減ることも確認されており、彼らが植物の繁殖を助けていることが示唆されています。

このように生態系の縁の下の力持ちとして、スズメバチは結果的に植物の多様性維持にも一役買っているのです。もちろんミツバチほど効率的な送粉者ではないかもしれませんが、彼らなりに花粉を運ぶ役割を果たしている点は評価すべきでしょう。

>>スズメバチのエサは肉団子と花の蜜?何を食べているのかを徹底解説

4.滋養強壮の栄養食品

スズメバチの滋養強壮の栄養食品としての側面
出典:ナショナルジオグラフィック日本版

スズメバチは古来より、人間にとって滋養強壮の源として利用されてきた歴史あり。例えば地方によっては、スズメバチの幼虫やさなぎ(いわゆる「蜂の子」)を食用にする文化があります。

長野県や岐阜県の山間部では「ヘボ飯」(クロスズメバチの炊き込みご飯)や蜂の子の佃煮が郷土料理として親しまれ、良質なたんぱく源として重宝されてきました。私も好奇心から蜂の子の佃煮を試食したことがありますが、見た目に反してナッツのような香ばしさで意外に美味しく、スタミナが付きそうだと感じました。

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さらにスズメバチ成虫も焼酎や日本酒に漬け込んで、薬用酒(蜂酒)として飲まれることがあります。また中国ではスズメバチの毒や体を、漢方薬として利用する例もあるようです。

このような伝統利用のみならず、近年では科学的アプローチでスズメバチの栄養価に着目した製品開発も行われました。その代表例がスポーツドリンク「VAAM(ヴァーム)」です。

スズメバチの幼虫が分泌する栄養液に含まれる17種類のアミノ酸を研究者が特定し、科学的に再現したアミノ酸混合物がVAAM誕生のきっかけとなりました。オオスズメバチの驚異的な飛行スタミナの秘密に迫った研究から生まれたこの製品は、今や多くのアスリートに愛用されています。

スズメバチは私たちに恐怖だけでなく、栄養・健康分野でも恩恵をもたらしているのです。

>>スズメバチの幼虫っておいしいの?伝統的な食文化~毒の有無までわかりやすく解説

5.研究対象として人類に貢献

研究対象として人類に貢献するスズメバチ

スズメバチはそのユニークな生態や強力な毒性ゆえに、さまざまな研究分野で注目される存在。生物学的には社会性昆虫としての行動研究、毒化学や薬学の分野では毒成分の解析など、学術的な価値が高い昆虫です。

大学や研究機関ではスズメバチをモデルにした研究が多数行われており、人間社会に役立つ成果も生まれています。例えば高知大学の研究グループはスズメバチが嫌う匂い成分を突き止め、それを応用した安全な忌避スプレー(スズメバチサラバ)を開発しました。このスプレーはアシナガバチにも効果があり、人にも環境にも優しい防護策として期待されています。

またスズメバチの毒から、新たな創薬のヒントを得ようという試みもあります。海外ではスズメバチ類の毒ペプチドが、がん細胞を攻撃する作用を持つ可能性が報告され、将来的な抗がん剤開発に役立つかもしれないと注目されています。

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さらに工学分野でも、スズメバチの飛行メカニズムや巣材(彼らは木の繊維を噛み砕いて紙のような巣を作ります)の研究が、防振構造や紙製品の改良にヒントを与えることがあります。

このように研究対象として見ると、スズメバチは人類の知的探求に貢献し、新たな技術や製品の開発につながる益虫的存在とも言えるでしょう

絶滅したらどうなる

スズメバチが絶滅したら地球はどうなる?

もし仮にスズメバチがこの世からいなくなったら、一見すると人間にとって良いことずくめのようにも思えます。しかし実際にはメリットだけでなく、深刻なデメリットも生じます。まずはスズメバチ絶滅の主なメリットを見てみましょう。

メリット① 人が刺される心配がなくなる:
スズメバチによる刺傷被害がゼロになり、毎年の死亡事故も起きなくなります。アウトドア活動や庭仕事の際の安全性が飛躍的に向上し、怖い思いをせずに済むでしょう。防虫ネットや駆除スプレーに頼る必要もなくなり、人々の精神的負担も軽減します。

メリット② 養蜂や果樹への被害が消える:
ミツバチの巣が襲われたり、果樹園で果実が食い荒らされたりという農業被害がなくなります。養蜂家はオオスズメバチ対策に悩まされることなく安心して蜂蜜生産に専念できますし、ブルーベリーなど果実農家も収穫時期にハチとの攻防をしなくて済みます。結果としてミツバチの数が増え、受粉効率や蜂蜜生産が向上する可能性もあります。

メリット③ 駆除コストや労力の削減:
行政や個人が毎年費やしている、スズメバチ巣の駆除費用・労力が不要になります。公園や学校でのハチ対策作業も必要なくなり、防護服や殺虫剤といった備品コストも削減できます。時間的・経済的リソースを、他の防虫対策に振り向けることができるでしょう。

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続いては、根絶してしまった時に想定されるデメリットです。

デメリット① 害虫の大発生:
スズメバチという天敵が消えることで、これまで抑えられていたイモムシや害虫が爆発的に繁殖する恐れがあります。農作物への被害が増大し、農薬散布など別の対策が必要になるでしょう。結果的に農業生態系に負荷がかかり、食糧生産にも悪影響が及ぶ可能性があります。

デメリット② 生態系バランスの崩壊:
一種とはいえ頂点捕食者が消滅すると、食物連鎖のバランスが乱れます。スズメバチに捕食されていた昆虫が増えすぎたり、逆にスズメバチを餌にしていた動物(蜂鳥類や熊など)が餌不足に陥る可能性があります。その影響は生態系全体に波及し、どのような変化が起きるか予測できません。生物多様性の低下や他の予期せぬ環境問題につながるリスクがあります。

デメリット③ 伝統文化や研究の喪失:
スズメバチがいなくなることで、先述した昆虫食文化(蜂の子料理など)が継続できなくなります。また、スズメバチを対象にした科学研究の機会も失われます。

例えば新しい忌避剤の開発や、生物の進化研究の題材としての貴重なサンプルを失うことに。人類にとって有益な発見のチャンスが減り、将来的な技術・医療の進歩が妨げられる可能性もあるのです。

ご覧のように、スズメバチが絶滅すると表面的には人間社会にメリットもありますが、長い目で見るとデメリットやリスクも極めて大きいことがわかります。自然界のバランスは一度崩れると元に戻すのが難しいため、やはり極端な根絶ではなく上手に共生していくことが大切だと言えるでしょう。

スズメバチは絶滅危惧種?

スズメバチは絶滅危惧種?

結論から言えば、スズメバチ属全体としては絶滅危惧種ではありません。日本でも世界的にも、オオスズメバチをはじめ多くの種が広く分布しており、生息数も安定しています。

むしろ前述のように個体数増加が懸念されるほどで、現時点でスズメバチが絶滅の危機に瀕しているということはなし。ただし例外的に、特定のスズメバチがレッドリストに載っているケースがあります。

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たとえば「チャイロスズメバチ」という種をご存知でしょうか?チャイロスズメバチは他のスズメバチの巣を乗っ取る特殊な生態を持つ種で、かつて北海道や東北の寒冷地にのみ生息する希少種でした。

そのため北海道では準絶滅危惧(NT)に指定されるなど、一部地域でレッドデータブックに掲載されていたスズメバチです。しかし近年は地球温暖化や環境適応で生息域を広げ、本州でも見られるようになってきています。

このように、絶滅危惧種とされていたスズメバチが必ずしもずっと希少なままとは限らない点は興味深いところ。また海外に目を向けると、ヨーロッパでは在来のモンスズメバチ(ヨーロピアンホーネット)が過去に害虫扱いされ駆除された結果、地域的に絶滅危惧種になっている例もあります。ドイツでは対象の蜂を殺すと、高額な罰金が科せられるほど保護に力を入れている地域もあるそうです。

とはいえ少なくとも日本において、スズメバチ全体が絶滅の危機にあるわけではありません。私たちが日常で遭遇するオオスズメバチやキイロスズメバチは健全な個体数を維持していますので、「将来スズメバチがいなくなるのでは?」と心配しすぎる必要はないでしょう。

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もちろん生息域が限られる珍しい種については各自治体がモニタリングを続けており、私たちも貴重な自然遺産として見守っていく姿勢が求められます。スズメバチは決して絶滅寸前の存在ではありませんが、生態系の一員としてその動向に適切な関心を払うことが大切ですね。

まとめ:益虫と害虫の両面を持つスズメバチが絶滅したら

益虫と害虫の両面を持つスズメバチが絶滅したら
  • スズメバチは強い攻撃性と毒性により典型的な害虫と見なされている
  • 威圧的な外見や低く響く羽音が人々に本能的な恐怖を与えている
  • 生活圏内に巣を作るため刺傷被害のリスクが高く忌避される存在
  • ミツバチを捕食して養蜂業に深刻な被害を与える点が問題視されている
  • メディア報道による恐怖の象徴としてのイメージも強く刷り込まれている
  • 地球温暖化や人間活動の影響でスズメバチの個体数が増加傾向にある
  • 外来種は根絶成功例があるものの種を完全に絶滅させるのは不可能に近い
  • 害虫を捕食して農業被害を抑え生態系のバランス維持に役立っている
  • 花粉媒介者として植物の多様性維持に貢献している例が確認されている
  • 蜂の子料理や蜂酒など古くから栄養食品として人間に利用されてきた
  • VAAMなどの製品開発にもつながるなど栄養・研究面での価値が高い
  • 科学研究や防除技術の開発、さらには創薬の可能性にまで寄与している
  • 絶滅したときに想定されるメリットは刺傷被害や養蜂被害がなくなること
  • 絶滅で危惧されるデメリットは生態系の崩壊や害虫増加など深刻である
  • 全体としては絶滅危惧種ではなく、多くの種が健全な個体数を維持している
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スズメバチは「害虫」と「益虫」の両面を併せ持つ貴重な存在。共存と適切な管理が必要な昆虫であることが、少しでも伝わったならば幸いです。

  • この記事を書いた人
管理人suzuka

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丸眼鏡×害虫オタクの管理人suzukaです!幼い頃に図鑑でゴキブリのフォルムに一目惚れ。今は「害虫ときめき女子」として日々情報発信しています。一緒に害虫の魅力を探究しましょう!

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